爪の先ほどの大きさのなめくじの赤ちゃんと、親指の火傷

ちいさい生き物を見つけると、その日のプレゼントをもらった気になる。生き物を自分の所有にするわけではないから、無形のプレゼントだ。あっ、いた、見つけた、ちょっとラッキー、というような。

ちいさい生き物といってもハムスターのようなものではない。もっと小さい。例えば青虫。そして例えばなめくじだ。写真はなめくじ。赤ちゃんと呼んでよさそうなサイズ。新生児の爪みたいな大きさ。ああかわいい。

何がかわいいって、一所懸命でいじらしく見えるところだろうか。青虫とか体のサイズのわりにけっこうなスピードで動くけど、なめくじなんかは、ゆっくりゆっくりだし。でも、一所懸命だとかいじらしいとか、余計なお世話だし、それどころか思い違いも甚だしいのだろう。人間の驕りみたいなものを自分自身に感じる。でも、やっぱりかわいくて好きなのだ。彼らを見ていると、私も懸命に生きていこう、という気になる。もう、単純に、生きていこう、という気持ちに。

昨晩、私は揚げ油で左手の親指の先端を火傷した。幸い軽く済んだようで、一晩おいた今は何ともないのだけれど、自分の不注意に呆れる。4月のあいだ包丁で指を何度も傷つけ、その結果としての絆創膏の最後の一枚がはずれて、10日とたたずに火傷なのだ。指を頻繁に怪我したのは疲労が原因だとブログで繰り返し書いているけれど、不注意による怪我の多い人間だというに過ぎないのだろう。

なめくじとか青虫とかも生きているうちに負傷することはきっとあるのだろうけれど、私のようなとんまな負傷はないのだろうなと、なんとなく思う。出血にしろ火傷にしろ、「ちょっと意識がそれました」というときに起こっている。なめくじとか青虫とかは、意識はいつも生きるために研ぎ澄まされていると思うのだ。その一点で比べるとき、私は生き物として彼らより優れているという気が、どうしても、しない。

 

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