6月前半に読んだ本 編集や執筆を学んでいる、生物学に興味のある人なんだなとわかります
SNSは最近もっぱらTwitterだ。写真は添付しなくてもよく、つぶやくだけ。一番自分に向いていると気づいた。読書記録をつぶやいてきたのでここにまとめる。多少修正し、本によっては加筆している。16日間で4冊ってペース早いなと我ながら思うけど、何冊もの本を同時並行で読んでいて、たまたまどどっと読み終わりのタイミングを迎えたというだけのこと。遅読と読む時間がとれないことに困っています。
『若い読者に贈る美しい生物学講義 感動する生命のはなし』更科功 ダイヤモンド社 2019年
若くなくても読んでほしい。生物学に興味がなくても読んでほしい。難解なことを、日常のあれこれに例えて読者に腹落ちさせる著者の柔軟な発想力、すべての生物に向けた優しいまなざし。暑苦しさなど一切なく、生命のすばらしさをさりげなく教えてくれるこの本を読めば、自分という生命を大切にしようと思えるはず。
『圏外編集者』・都築響一 朝日出版社 2015年
表現の欲求を抱えている人には結局、二択しかない。「やる」か「やらない」か。だったら、「やる」を選ぶ。そう決意させてくれる一冊。
『伝わる・揺さぶる!文章を書く』山田ズーニー PHP新書 2001年
文章を書くのに必要なのは小手先の技術じゃなくて、相手ひいては社会と向き合おうとする姿勢、そして自分を掘り下げる勇気。それさえあれば文章は書けることを熱く教えてくれた。ライターや作家志望じゃない人にも必ず役に立つと断言できるのがこの本。
『もの食う人びと』辺見庸 角川文庫 2007年 ※1994年刊行された単行本を文庫化したもの。
願わくば、世界のあらゆる境遇にいる人に向けて恥ずかしくない食と生の習慣で過ごしたい。著者が食の現場を求めて旅した当時と、現在とで変わっていることと変わっていないことがある。食に狎れてしまった日本人のありかたはおそらく変わっていないのだと思う。先行き暗いとみられている日本だが、大多数の人間が残飯を食らったり汚染された食物を食らったりしないで済んでいる。それ自体は喜ばしいことなのだろう。とはいえ、食うという行為は狎れてしまっていいものなのか。私たちは食うことを本当に知っているのか。単行本の刊行から四半世紀たった今読んで、問われている気になる。
恥ずかしながら辺見庸の著書を読んだのはこれが初めてだ。しかし、この本のタイトルと著者名を目にした中学生のときから、ずっと覚えていた。四十歳になってからようやく巡り合えたことに感謝する。