奥歯の神経を抜いた痛みを陣痛みたいに乗り切ろう

先月、歯科医で右下の奥歯の神経を抜いた。神経が死んだために膿んでおり、抜かないと悪化するとのことだったため。昨年半ばから右下の奥歯付近に謎の痛みがあった。歯科の高精度カメラで撮影した結果、「神経が死にかけている可能性がある」と指摘されたショックは今も鮮明に覚えている。実際「死んだ」とわかって、わかるなり即座に神経を抜かれたショックはなおさら大きなものだった。神経が死ぬって何だろう、どうして神経が死ぬんだろう、寝ている間に奥歯を食いしばる悪癖がいけなかったんだろうか、たぶんそうだろう、でも40歳にして体の一部を失くすなんて残念すぎる、いや40歳ってそういう歳なのか、と無限ループにはまりそうになる心を、その日は忙しく過ごしてなんとかやり過ごした。

神経を抜く作業は歯に穴を開ける作業を伴う。子ども時代から丁寧に歯磨きするわりに虫歯になりやすい私は、奥歯に漏れなく銀色のかぶせ物をしている(今どきそんなことする歯科医はないだろうが、昔は虫歯になれば削って銀色のかぶせ物するのが当たり前だった。十五年ほど前には歯と同じ白いかぶせ物に変わっていたと思う)。神経を抜く際はかぶせ物をはずし、さらに歯の側面に穴を開けて、溜まった膿を出します、との説明を受けた。神経が死んだという事実に加えて私を落胆させたのがこの点だ。膿を出し切るために当分は虫歯部分も剥き出し、歯も穴が開きっぱなしと聞いたのだから。歯に汚れが溜まりやすくなるとのことだった。憂鬱だった。口臭とかしちゃわないかな。心配だったが、マスクを着けてしか接しない家庭外の人はもちろん、家族からも特に指摘はなかった。

実は、神経を抜いた結果、すごく生活が快適になったのだ。抜く10日ほど前(間違いなくその頃、瀕死の神経はついに命が絶えたのだろう)、水を口に入れるだけでとんでもなく沁みて、うがいが苦痛だったのだ。抜いたらいきなりなんともなくなって、いろんな憂鬱も霧消し、ああ、良かった、という気になってしまった。考えようによっては生まれ変わった気分ではないか。私の奥歯の神経は一所懸命役割を全うして息絶えた。寂しい別れではあるけれど、よく頑張ったと健闘を称えたい。それに、子ども時代からのブラックボックス=かぶせ物は排除され、

しかしその好調も長くは続かなかった。約1週間後に白い仮のかぶせ物をされ、しばらくした頃から処方された痛み止めの出番が増えてきたのだ。あれ、どうしてかな、でも次の治療日にはきっと解決するはず…そう思いながら去る3月1日に治療を受けたところ、痛みが非常に強くなった。

神経抜いてるって、痛みを感じなくなるってことじゃないの? 釈然としない。痛みを感じたら通院するように言われていたので診察を受けると、神経を抜いたことが影響して周辺が炎症を起こしているとのこと。今のかぶせ物をいったん外し、歯の中に綿を詰めた上から新しいかぶせ物をするから、少しは痛みが和らぐだろうとのこと。

次の服用まで6時間、最低5時間あけなければならない約束の痛み止めの服用は

3月2日 5:00、10:30(治療直後)、16:30

3月3日 5:00、11:00、17:00

3月4日 4:30、11:40、16:40

3月5日 5:30、13:30、18:30

連日、きっかり3回飲んでいる。あ、なーんか今、右下の奥歯あたり、とぅわ~んと反響しているみたいな感覚あるな、と思ったらそれが痛みに変わってくる。早めに飲まないと痛みが深刻になり、服用してもすぐさま効果が出ずに、半時間超、痛い、痛いと苦しんで時間を無駄にすることになる。あ、痛いかな? たぶんこれ痛いよね、うーん、痛いみたいだなあ! それぐらいで飲んだほうが良いらしい。これ間違いなく痛いよーけっこう耐え難いかもね?! で飲んだのでは、無駄に苦しむことになるようだ。

陣痛に似ているな。痛みにも波があって。痛みが弱い時間帯があるからその波をうまくつかむことで陣痛を乗り切ろう、みたいな、わかるようなわからないことが妊娠・出産の解説書に書いてあったから、そんな感覚で。

最後の服薬から4時間たつ今、既に痛みを感じており、痛むところをぐーっと噛みしめたい感覚になぜか襲われている。噛みしめたら痛みも死ぬって? そんなことあるわけないのに。

例えば、チェーンがからまっているときに丁寧に解きほぐそうとするか、力でどうにかしようとするか。私は丁寧に解きほぐそうと最初こそ試みるものの、すぐに耐え切れなくなって力で解決しようとするタイプ(当然、チェーンのからまりは解決しないと自分でもわかっているのに)。

歯が痛んだら逆に噛みしめようとする。力業で解決する悪癖がここでも出ている気がする。

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