マンガ家志望から作曲家志望に転向、小2長男の華麗なる夢想履歴
つい先日まで「将来はマンガ家になる」と宣言し、起きている間はマンガを読むか描くかのどちらかだった長男が、ベートーヴェンやモーツァルトのマンガを読んだことをきっかけに「作曲家になる」と言い出した。
「音楽大学に行く」とも。
音楽大学、ねえ。お金の問題もあるけれど、そもそも超難関だぞ。狭き門だぞ。
しかし彼の熱意は本物だ。
帰宅すれば真っ先に祖母(私の母)からのお下がりの電子ピアノに向かい、食後も風呂上りも行先はまず電子ピアノ。
テレビのついている時間帯ですら、よほど好きな番組を除いてはピアノが優先なのだから、意外という他ない。
妹から「ピアノひかないで!」との悲鳴を浴びつつも熱心に指を動かしている。
私は「音楽はからっきしだよ三級品」の人間なので、音楽の手ほどきは夫がした。
といって、夫も小学生の時分にピアノを習った経歴が一行あるだけで(実は私も就学前に習った時期があったがそれでもからっきしだ)ピアノ指導のいろはを知っているわけでなく、最近は長男をピアノ教室に通わせる計画を真剣に練っている。
ネット情報で住まいから遠からぬ場所にピアノ教室があることを突き止め、しかも紹介映像で教室の先生がたいへん感じの良い優しそうな人(豆腐メンタルの長男には大切なポイント)だったため、体験教室に行くよう説得し始めた。
だが学校では従順ないい子・家では我流にとことんこだわる長男は、夫の期待ほどの食い付きを見せない。
「2学期も始まったばかりだし運動会の練習で疲れてるし、ゆっくり考えて運動会が終わってから見学に行けば?」との私の言を容れてとりあえずこの計画は小休止だ。
万一、運動会後にピアノ教室へ行きたいと言い出した場合に備え、今日も前準備のために言葉がけする。
「通い始めたらすぐにパッヘルベルのカノンが教えてもらえるわけじゃないんだからね!」
「最初は指の置き方とか始まって、退屈だけど我慢しなきゃ~」
電子ピアノのデモ演奏に合わせて光る鍵盤を追うのに必死な長男。
本人としては、電子ピアノ内蔵の名曲がある程度弾けるつもりなのだ。
まあまあ、落ち着けって、舞い上がるなって。
現実は厳しいぞ。