《最終報告》計画当初には想定できなかった結論に行き着く。フリーライターの育児・家事・仕事と夢の現在地!
〈この実験についてざっくり説明します〉ニコニコ子育てのために、子どもの帰宅後1時間は子どものために費やし、仕事や、料理など集中力を要する家事にはあてない。なおかつ、実働時間は減らさない! 2024年6月から11月まで実践しました。
詳細はこちら→https://note.com/k5writer/n/n14f42ec64ecf
〈私のこと〉フリーランスのライターで4人暮らし(家族は夫と子ども2人)。ほとんどの日、在宅で仕事しています。
〈育児のこと〉夫の在宅時は落ち着いて子育てできるため、この実験では夫不在の時間帯をターゲットにしています。習い事の関係で夕食の準備はいつも早め。子どもへの対応や家事が集中する16~18時はいつも慌ただしいです。
半年間の振り返り。少しでも穏やかに過ごせるよう工夫した日々
子どもたちとの心地よい関係を模索してきた半年間でした。
もともと、子どもの帰宅後は料理または仕事をしていることが多かった私。頭も手もフル稼働させている最中に子どもに話しかけられると、当たりが強くなりがちでした。これではいけないと思って立てた目標が、「子どもの帰宅後1時間は子どものために費やし、仕事や、料理など集中力を要する家事にはあてない」。
最初は「子どもの帰宅前に夕食を完成させておく」からスタート。15時台にあたふたと夕食をつくる日々。帰宅後の子どもにイライラする場面は格段に減ったものの、「あと〇分ほどで帰るから早くつくり終えなきゃ」というプレッシャーが大きくて、疲弊してしまいました。お腹が空いていない時間帯、気分が乗らない状態でつくるのも辛かったです。
そこで夏休み明けからは「ちょこちょこ料理」というスタイルに変更。朝でかける前の時間帯を料理にあてたり、自分の昼食を用意する際にひと頑張りして夕食のおかずまでつくったりするようになりました。他にも、子どもの朝食の食べ残しを喜んで夕食にまわす/冷凍食品やレトルト食品を使う基準をゆるめる/中食を増やすなどの工夫を重ね、子どもに対して穏やかに接することができるように。
そして、むしろ子どもの帰宅後の時間も料理するように変化。子どもたちが学校にいる間の「ちょこちょこ料理」である程度はおかずが用意できているので、「あとは、この作業とこの作業だけやればいい」と、「やるべきこと」がクリアになっていたら、子どもが近くにいても落ち着いて料理できるとわかったのです。
実験のタイトルは「在宅フリーランスが子どもと向き合う時間を確保しつつ、実働時間をキープすることは可能か?」なので、「実働時間は減らさない」という箇所についても説明しておきます。実験を開始した当初は、「子どものために時間をあけた分、とり戻そう」と、いわば「時間数を稼ぐ」ために夜に無理して仕事することがよくありました。でもそれではギスギスした気分になってしまうと気づき、「仕事の進捗」と「子どもと過ごした時間」それぞれの満足度を5段階評価するスタイルに7月から変更。
したがって、タイトル「在宅フリーランスが子どもと向き合う時間を確保しつつ、実働時間をキープすることは可能か?」の後段については、実験の早い段階で方針転換していたということになります、……(笑)。
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「1~5」の数値と顔のマークで評価してきました。イライラもニコニコもあったけれど、すべて大切な日常。
子どもたちの帰宅後は、むしろ自分のことに集中していい。まさかの、真逆の結論?!
実験は順調に見えました。でも10月頃から明らかな変化が。なんかイライラする、……子どもとぶつかる場面が増えました。季節の変化によるものか、ホルモンバランスの乱れによるものか、原因がわからない。季節の変化はどうしようもないし、ホルモンバランスの乱れが原因だとしても、一朝一夕に解決できる問題ではない。また、子どもたちが日々変化している(当然、反抗する場面も増える)のを考えると、私の側だけに原因を求めてもしかたがない、……解決が難しそうな状況で出した結論は、子どもたちが帰宅した後は、子どもたちの過ごす1階でなく、自分の書斎のある2階で過ごしていい。
子どもが帰って来たら笑顔で出迎え、二言三言、会話する。その後は2階に移動。連絡や質問、相談がある時はいつでも2階に来ていいと子どもには伝える。夕食時は付き添って会話する(孤食はさみしいので)。
当面はこの方針でいくことにしました。正直、疲労がたまっています。まずはこういう方法で自分を回復させてから、子どもたちとの今後の向き合いかたをゆっくり考えていきたいと思います。
このような結論に至った背景は、最近イライラが募った次のような場面です。「上着をハンガーにかけるよう言うのに床に置きっぱなし」「ランドセルを玄関に置きっぱなし」「水筒を置きっぱなしにして行方不明にさせる」など、ひとつひとつは些細なことです(『置きっぱなし』ばっかり。笑)。一緒に過ごしていると「〇〇しなさい」とつい言いたくなるもの。ひとつが気になると、他のことが次々気になり出したりもします。そして、子どもが対応せず、同じことを三度、四度と言っていると親のストレスはたまっていく一方。
イライラしつつ気づいたのが、私が「片づけを習慣づけさせる」という教育目的で子どもたちに言っているというより、「その状態、私にとって不快」という気持ちから言っているということ。
なら、子どもが自分で片づけるのは諦めて、気持ちが落ち着いているタイミングで、私が片づければいいと考えを改めました。片づけの習慣がつかないからって死ぬわけじゃないしね。血眼になって指示することではないはず。子どもに何度も言う負担より、自分で片づける負担のほうがはるかに軽い。子育てはこのように、「諦め」と「省エネ」で回っていくものだと、実験を通じて知りました。
とはいえ、帰宅後の子どもと距離をおいて過ごすことができるのは、夕食を「あとは食べてもらうだけ」の状態にできている日限定です(台所兼食堂は子ども部屋の横)。レアケースです。子どもたちの横で料理しなければならない日は、うまくやり過ごすしかない、……できるだけイライラしないように(笑)。いろんなことに目をつぶり、受け流しつつ。
計画当初と真逆に近い結論に至ったけれど、実験を続けてよかったと思う、自分自身の変化4つ
半年間続けた実験の結果、意外な結論に達しました。実験を始めた頃は、「『このやりかたで万事うまくいくようになった!』と、るんるんで報告できるんだろうな」と思っていましたが、やっぱり子育ては想定どおりにいかないと痛感しました。想定どおりでない点を含めて楽しめたら、一番いいんでしょうね。とはいえ、この半年間を振り返ると充足感があります。たくさんの気づきや変化がありました。それを紹介して、報告を締めたいと思います。
1.「イライラする」は性格という以上に、習慣だとわかった。
「子どもに対してイライラするのは当たり前」とか「自分がイライラしやすい性格だからイライラするんだ」と考えがちでしたが、実験を始めて生活を少し変化させた初夏~初秋、イライラすることが格段に減ったと自分で感じ、子どもたちもそれを認めてくれました。イライラするのは性格という以上に、習慣なんですね。悪い習慣をいったん断ち切れば、「昨日と同じイライラ回路」を通ることはなくなります。
とはいえ、その後、原因がはっきりしないままイライラすることが再び増え、もう一度生活を見直す段階にきているようです。今までの心のクセをいったんリセットし、すっきりした気持ちで今後の子どもとの接しかたを考えようと、気楽に構えています。
2.自分にとって負担の軽い家事のスタイルが身に着いた。
家事のイライラを軽減するコツは「ピークを分散させる」「ピークとなる時間帯を調整する」ことだとわかりました。すきま時間に家事を済ませ、子どもたちが帰宅する夕方に家事が集中するのを回避する。在宅ワーカーだからできることです。「この日は集中して家事をたくさん済ませよう」というやりかたもOK。
4月からは長子のお弁当をつくる生活が始まります。5.5合炊きの炊飯器を1升炊きに買い替えて、作り置きおかずやレトルトパウチ食品・冷凍食品のストックも充実させ、「いつでもすぐに一食準備できちゃうよ」という体制を確立できたらいいなあ。究極的には、「お弁当つくるようになったら逆に料理の負担が減っちゃった」を目指したいですが、さすがに高望みかな。
今後もゆるやかに変化していく生活に対応しつつ、穏やかに過ごせる方法を探し出していきたいです。
3.note・ブログ・SNSを更新する習慣がついた。
フリーランスなのに、しかも物書きなのに、SNSへの投稿が苦手でした。無理に習慣化して投稿していた時期もありますが、頭の片隅で「これはSNSのネタになるかも」などとしばしば考えてしまう自分に違和感をおぼえていました。投稿に意識が向けられて、目の前のことにちゃんと向き合えていないような感覚がありました(このへんの感覚は個人差があると思います。まめにSNS投稿している人への批判では決してないので。念のため)。
でも、半年間、実験報告を投稿し続けて、そのような感覚は全然なかったのですよね。テーマが明確であれば、当然、文章を書きやすいし、「何を投稿しよう」と漠然と頭の片隅でいつも考えている、ということがなくなります。テーマに関連したことに取り組む時間帯にだけ、それを考えれば良いのですから。実験報告の投稿は、とても楽しい時間でした。この先もテーマを決めて、ぜひnote・ブログ・SNSの更新を続けていきたいです。
4.夢に向かって具体的なアクションを起こす覚悟ができた。
実験報告をすることで、「綴ることの効能」も再認識しました。人間って、綴ることで自身を振り返って反省したり改善したりできるんですね。うれしいことに、過去を振り返るだけでなく、未来を描くことにもポジティブになりました。
現在、仕事の幅を広げようと模索しています。エッセイやコラムなど個性を生かした執筆に挑戦していくつもりです。一方で、創作にも力を入れており、発表する方法を検討しています。先ほどの項目とも関連しますが、情報発信すること、つまり自分の思いを表明していく過程の先に、こういった夢が実現していくと確信しています。
この実験はいったん終了しますが、新たなテーマでnote等の投稿は続けていきます。実験の機会を与えてくださったかた、実験報告を読んでくださったかた、そして家族に感謝しつつ、報告を締めます。ありがとうございました!