【実践編その2】もやもやの答えはあっさり見つかった。時間数よりも適切な指標がある。
〈この実験についてざっくり説明します〉仕事や家事をしながら子どもと向き合うとイライラしがち。ニコニコ子育てのために、子どもの帰宅後1時間は子どものために費やし、仕事や、料理など集中力を要する家事にはあてない。なおかつ、実働時間は減らさない! という目標をたてました。11月まで実践します。詳細はこちら→https://note.com/k5writer/n/n14f42ec64ecf
〈私のこと〉フリーランスのライターで4人暮らし(家族は夫と子ども2人)。ほとんどの日、在宅で仕事しています。22時までには寝て4時に起きる朝型生活。ただし、早朝は意地でも創作にあてるため、仕事のスタートは子どもたちの登校後で朝の家事が終わって以降。
〈子どものこと〉第1子:イッシ/第2子:ニシと記事中は呼びます。それぞれ習い事がありますが、ニシはハードで月曜以外は毎日17時半頃~20時過ぎが習い事の時間(移動時間を含む)。このため火~金は16時半頃から夕食を食べさせて17時台のお迎えバスに間に合わせ、帰宅後に軽食を食べさせる生活。
育児、仕事、家事。私が本当に目指す姿は何だろう
前回、実験の開始早々「実働時間数を増やすことが本当の目的だろうか?」ともやもやした気持ちになったことを報告しました。今回は、平日の主に夕方の過ごしかたを引き続きご紹介しながら、気持ちの変化をお知らせします。
7月2日(火)
記述するほどのなにごとも起きなかった日。わりと平和に過ぎた。献立など記録していない。献立を記録する気が起きない以上に、残念ながら実働時間を記録する気が起きない。大丈夫か、自分。実験を続けられるのだろうか。
7月3日(水)
この日は夫が在宅だったので、実践は免除。ニシのスケジュールに合わせて16時半頃に夕食ができあがるよう淡々と準備を進めながら、これまでの日々を振り返る。子どもの帰宅前に夕食の準備をほぼ済ませておくよう1か月半ほど頑張ってきた。帰って来た子どもたちにイライラする場面は、確かに減った。でも、「何が何でも」料理を済ませないといけない、と頑張るルーティンに正直疲れているのを感じた。
7月4日(木)
子どもの帰って来る前に夕食準備を、……と重い腰を上げたのは帰宅予定時刻の30分前。いつもはさっと決められる献立が、なかなか思い浮かばない。調理時間が短くて済むものをあれこれ考えるうちにひらめいたのが以下のおかず。
・重ね焼き(しめじ・人参・豚肉・キャベツを鍋に重ね入れ、弱火で蒸し上げる)
・茄子とズッキーニの揚げびたし(じゃんじゃん揚げて、薄めた液体出汁に漬けていく)
・絹ごし豆腐とサラダチキンの中華風スープ(賽の目に切った豆腐とちぎったサラダチキンを鍋で煮て、鶏ガラスープの素などで味付けし、片栗粉でとろみをつける)
肉が苦手なニシも、豆腐と、こっそりお椀によそうサラダチキンでたんぱく質を摂取できる。家族みんなわりと好きな献立を、どうにか思いつけた。自画自賛するようだが、我ながらすごい。これぞ年の功、……というか、長年自炊してきたゆえの応用力と判断力だ。「自画自賛」とかいっちゃったけど、実際、自分や家族をわが手で毎日食べさせるって大事業なのだ。全国の自炊者は誇りをもってほしい。
子どもたちが帰って来る時刻には、スープ以外は準備できていた。スープは先に説明したとおり簡単だから、これ1品つくるのに気が急くことはない。あー、よかった、余裕をもって子どもと接することができる。それはやっぱり、ありがたいことだ。
ふと冷蔵庫を見ると、ホワイトボードのメモ書き「鮭 解凍中」の文字が我ながら驚くほど汚い。
7月5日(金)
この実験の計画のずさんさについて改めて考えた。「実働時間を確保する」というが、果たして何を意味するのか。どういう姿が「成功」になるのか。ビフォーアフターで比較したら、成功か失敗か測れる? それは少し難しい。前回の記事で告白したとおり、6月開始の実験を5月からフライングで開始していたから「ビフォー」のデータがないよ。どうしよう。そもそも「時間数」を追うことについて、違和感が拭えない。
この日はイッシの習い事関連で手続きに行った。こういうことを「削りたい時間」と捉えたくない、と強く思う。そのように捉えるのは、応対してくれた相手に対して、そして我が子に対して失礼であるのはもちろんだが、生活者としてあんまり正しくない心の持ちようという気がする。
前回の報告で「買い物はネック」と書きながら、そのような自分の感覚に疑問があることを綴った。買い物にしろ、諸々の手続きにしろ、「生きていることの一部」だ。それらをあたかも「ないことがいいこと」のように捉えるのって、たぶん少しやばい。
このように考える中で、はたと気がついた。「実働時間数」を指標にする必要はない。「仕事の満足度」と「子どもと過ごした時間の満足度」を指標にすればよいのだ。5段階評価で毎日メモしていけば、(たぶん)立派な活動記録になるはず。これでやってみよう! もやもやの答えは、意外とあっさり見つかった。
(続く)