【実践編その1】いきなり壁にぶつかる。「実働時間の確保」が本当にやりたいことなのか?
〈この実験についてざっくり説明します〉仕事や家事をしながら子どもと向き合うとイライラしがち。ニコニコ子育てのために、子どもの帰宅後1時間は子どものために費やし、仕事や、料理など集中力を要する家事にはあてない。なおかつ、実働時間は減らさない! という目標をたてました。11月まで実践します。詳細はこちら→https://note.com/k5writer/n/n14f42ec64ecf
〈私のこと〉フリーランスのライターで4人暮らし(夫と子ども2人)。ほとんどの日、在宅で仕事しています。22時までには寝て4時に起きる朝型生活。ただし、早朝は意地でも創作にあてるため、仕事のスタートは子どもたちの登校後で朝の家事が終わって以降。
〈子どものこと〉第1子:イッシ/第2子:ニシと記事中は呼びます。それぞれ習い事がありますが、ニシはハードで月曜以外は毎日17時半頃~20時過ぎが習い事の時間(移動時間を含む)。このため火~金は16時30分頃から夕食を食べさせ、17時台のお迎えバスに間に合わせます。
あれ? 計画が穴だらけ? 本格始動して気づいたこと
まずは、この1週間あまりの夕方の家事・育児・仕事の状況をざっとまとめてお知らせします。
6月28日(金)
他の日は帰宅後すぐに宿題にとりかかるけど、休前日はいきなり動画やゲームに走る子どもたち。YouTube見たりスマブラしたりしている人たちのためにわざわざ時間をあけておくことはないなあ。したがって、休前日は実践の免除デー。子どもたちの帰宅を確認しつつ仕事を続け、17時半、料理にとりかかる。とんかつ・ポテトサラダなど子どもたちの好きなメニューだが、はっきり申して、「通常運転の日と比べて、手間がかかる献立」。結果として、夕食の時間が近くなるとイライラする場面が増えた。
実はこの日、大雨警報のため朝は10時登校だった。たいしたことなくてよかったし、登校時間を遅らせるという対応には納得している。しかし時間が思うように使えなかったのは事実。ちなみにポテサラのじゃが芋は、朝から動画天国だった子どもたちを「動画ばっかり見ない!」と急き立てて、小雨のなか親子3人で庭から収穫したものだ。
加えて、この日は日中、近所の店2軒をまわって買い物している。まとめ買いするのもあってトータル2時間ちかく費やした。
要するに、あまり仕事に時間を割けない日だった。「買い物はネック」と認識する。前から感じていた。在庫切れが起きないように小まめに手帳に記録し、チェックしながら店内を回る。こういうことをずっと継続して暮らしている。家事の中でも、買い物には「終わらない負担」というイメージがある。
これらの「日中に仕事時間が十分にとれなかった」事情以外に思い当るのは、料理をスタートする17時半までの心理状態。「今日は自分のために夕方の時間を使えるから、瀬戸際までがんばろー!」と集中していた。集中するといえば響きがいいけど、張り切り過ぎてむしろ「気が立っている」ぐらいの状態で料理に突入してしまった。そんな気がする。スケジューリングはクールダウンの時間を見込む。これが必要かもしれない。
7月1日(月)
ニシの習い事がない唯一の平日・月曜日は余裕をもって夕食づくりができる。15時台に帰宅したニシのために30分をあて、16時より少し前に帰宅したイッシは、友達が遊びに来たため、実践は免除の流れに。炊飯器のセットだけ済ませて、16時15分まで仕事に集中。この時間は「やった」という手ごたえを感じた。気持ちが安定する。同じ「仕事した」でも、進捗状況などの違いで気が立ってしまったり、逆に穏やかな気持ちになったり、なんだか不思議。
前日の反省もあって夕食は楽ちんメニュー・いろいろ野菜と合い挽き肉のハヤシライス。煮込む間に粉ふき芋を作ったり、庭で自生しているシソを収穫したりできるぞ。冷蔵庫からきゅうりの塩こうじ漬けも出したよ。作り置きはやっぱりいいね。簡単につくれておいしいって最高。
今日は穏やかな夕方。しかし、実践に関して、「実働時間の記録」を一切とっていないことに気づく。うかつ。だめじゃん。明日から始めよう。と思いつつ、疑問が浮かぶ。「時間数を追うのが本当に私の目的なのだろうか?」。
いかん。早くも実験は頓挫か? 「ニコニコ子育てしつつ実働時間はしっかり確保する優良ワーカーを目指す」を掲げているのに、実働時間の記録に疑問を感じるなんて。
実を申すと、6月開始のはずのこの実験企画、私は少々フライングして5月に試験的に始めていた。きっかけは、つまらないことで子どもを厳しく叱責したことだ。「命の危険がある行為をしたわけでも、人を傷つけたわけでもないのにあんなに叱ることはなかった」と反省し、早めに実践しようと決めたのだ。そして5月時点で既に成果は感じていた。子どもが私に用がある時間帯に仕事や料理をしなければ、イライラは格段に減る。
フライングを告白し、懺悔します。……が、フライングしたことで早くも見えてきたことを先に説明したい。夕方子どものために時間をあてることで、夕食後、「あてた時間は取り戻させてもらう」と非常にがつがつした気分になることだ。その時間帯、ニシは習い事、イッシはゲームに夢中だし、食器洗いやニシのお迎えは夫が受け持ってくれる(その間、私も家事をすべて放棄しているわけではないよ。洗濯物を畳むなどこまごましたことを済ませております)。この「がつがつした気分」が私は気になる。「実働時間の確保」を掲げ、「時間」ばかり追っていれば、そんな気分になるのは当然ではなかろうか。そして、「がつがつした気分」を感じるのが嫌というより、「あてた時間は取り戻させてもらう」という発想に危うさを感じるのだ。「買い物はネック」と先に書いたが、そうした発想も、時間を追う意識が根源にあるのはほぼ間違いない。「家事の時間ってむなしいな、短縮したいな」という意識が、勤め人時代からずっとあった。
私は、子どもと、時間と、家事を含むルーティンとどう向き合っていけばいいのだろう。
(続く)