『女性をめぐる法と政策』(高橋保著・ミネルヴァ書房2004年) 古いにも関わらず購入を決めた理由

ライターとして興味のある分野、つまり将来的にそれを専門分野としてライターとして自立したい…という分野のひとつにジェンダー論があるんだけれど、この本との出会いはライターとしてというより小説執筆のための参考文献として図書館で借りたのがきっかけ。

シリーズ〈女・あすに生きる〉の第17冊目、原理・体系・課題を示すために刊行されたのがこの『女性をめぐる法と政策』らしいです。

初版第一版が2004年10月15日。まあ~~~~、古いです。16年前だもの。古い。買うのはもちろん、図書館で借りることさえ躊躇させるくらいに古い。

情報を得るためにはやはりある程度の新しさは求められる。今でも覚えている。2011年3月、東日本大震災を発端とした福島第一原発の惨事に驚いた私は、電機業界のことを知ろうと思い立った。そこでAmazonで検索し、購入したのが古本だったのだ。

表紙(ブックカバー)は原発らしき施設が二色刷りの写真で載っており、その写真も含めて表紙全体が黄土色と黒で塗り分けられている。太めのゴシック体ででかでかと『電気・エネルギー業界大研究』(※正確な書名は覚えていない)と縦書きされた装丁もどこかレトロな、というかカバーが妙にツルツルして色あせている点からして本の古さを主張している一品だった。もしかしたら1970年代とか1980年代の書籍ではなかったろうか。

数ある本の中からなぜそれを選んだのか、理由が思い出せない。Amazonの紹介文を一冊ずつ読み、一番理解を助けてくれそうだと当時の私が感じたのがあいにくにもその本だったのだ。「情報を得るために書籍を選ぶのなら、初心者はまず刊行年月の古いものから切り捨てていくべき」という貴重な教訓を、1ページすらまともに読んだかわからないその本から私は学んだ。

そういう反省がありながら、2004年刊行のこの書籍を図書館で借り、返却後に購入までした(やはりAmazonで)した理由は、「全体を見渡せる」からだ。

章立てを見てみると、女性法の誕生から母性の保護・母子福祉、暴力の防止(DV対策)、ストーカー規制、男女平等、男女共同参画、売春の防止、セクハラの防止、これらに関連する児童の保護に関する法律、さらには生活保護まで。

ここまで網羅していたら、多少、…というかかなり古い本でも必ず役に立つだろうと思われる。ネットでの情報収集でもっとも困難なのが「体系的な理解」「全体を見渡す」という点だ。この本があればその問題を解決できると確信した。私がジェンダーに関して何らかの執筆を行うために最新の政策を知る必要があれば、厚生労働省のホームページなり見ればよい。最新情報をネットで収集しつつ、いつでもこの本に立ち戻ることができる。

購入したもうひとつの理由は、法と政策が設計された背景がきちんと説明されていることだ。ライターをしていると、「なぜ制定されたのか」とか「きっかけは何か」とかをきっちり把握することが、どの取材でも求められる。法と政策を学ぶにしろ「なぜ」は必須なのだ。解説文からは著者である高橋保さんの熱意が伝わってきて、心強く感じる。

この本が刊行された頃、私は24歳の誕生日を迎える少し前だ。ジェンダーのことばさえ知らず、今思い返してみればハラスメントのようなものを受けても「そんなものだ」と思い、権利を主張する女性は度量が小さくて攻撃的な怖い女性だと軽蔑し、男性に迎合することに自分でもそれと気づかぬまま価値を置いていた。

今の私も当時の私と大きくは変わらないかもしれない。でも、「少しは」知っている・気づいている・興味を持っているという点ははっきり違うと感じている。

 

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